ベトナムのCOVID-19第4波について

2021年4月27日以降問題になっている第4波が凄くわかりづらい状況になっているので整理してみました。あらためてまとめてみると色々なことが同時並行的に起こってます。
またこの第4波における感染の広がり方や、変異株の感染力の強さは、ベトナム政府の危機感を強め、ワクチン計画の変更や加速を後押ししています。

また『ウィルスの名称に国の名前を使うのは、差別につながったりしてよろしくない』ということで、WHOがやめるように呼び掛けを行ったので当ブログでも、それに従い「イギリス型」は「アルファ」、「南アフリカ型」は「ベータ」、「ブラジル型」は「ガンマ」、「インド型」は「デルタ」とします(詳しくはこちらをご参照ください)。

2021年6月19日昼までの情報

4月27日に第4波が発生して以降、ベトナムの34の市と州で5175件のCovid-19の市中感染が報告されています。この波に伴う死亡者は39名です。
第4波での感染者の多くは工業団地(主にバクザンとバクニン)や人の出入りの多いハノイやホーチミンなどの大都市から生じており、特にホーチミンは感染コントロールの目途が立っていません。

以下の図は6月26日のVNEXPRESSより。詳しいことがリンク先で調べられます。


何故わかりづらい

  • 短期間に、異なる原因のクラスターが多発した。
  • デルタ(インド)型変異株まで入ってきている。最近の報告によると、空気感染すると言われており、それによりこれまでと病気の性質/対応が変わった
  • 以上の結果として第2、3波とはまるで違う様相。
    あえて言うなら第4波の発生初期は『水際対策がまだ未熟だったため、気が付いたらいつのまにやら広がっていた第1波』に近かった。時間の経過に伴い病院クラスターが起き、その中で基礎疾患がある入院患者や、高齢者が感染者の増加に伴い、結果として死亡例が出始めている。

というわけで、僕自身の仕事のために、臨床医視点でまとめてみました。
たまに更新するかもしれません(細かく追うと翻弄されるので、1週間~10日ごとぐらいを目標)

懸念事項(今回の特徴)

  1. 第4波の発端となったケースのほとんどは、14日間の隔離期間(現在は21日に変更になった)を完了した人たちから発生している。
  2. また現在でも、多くのクラスターの感染源は未だ明確になっていない。
  3. 第3波までは明らかな震源地(Epicenter)があった。第4波はこれまでと異なり、短期間の間に、様々な地域で、原因が異なるアウトブレイクが同時多発的に発生した。
  4. 主要な原因の一つがベトナムに入ってきた外国人専門家に端を発したものであり、一部の隔離地域における管理の甘さも指摘されている。
  5. さらに市中感染と、病院や工場などでの施設内感染が流行の主要な原因となった。これにより多くの病院や工場が巻き込まれ、クラスターを形成した。
    • 病院でクラスターが発生したことにより、高齢であったり基礎疾患のある方々が巻き込まれて感染した。これにより死亡例が出てきている。今後も増えるものと予想される。
  6. 発生している患者のほとんどはデルタ(インド)型(B.1.617.2)、もしくはアルファ(イギリス)型(B.1.1.7)変異株に感染している。いずれの株も感染力の増強があると言われている。ベトナムでの調査によると、デルタ(インド)型変異株は閉鎖空間における空気中の拡散が早く伝染力が高く(空気感染が示唆されている)、英国型変異株よりも感染性が高いとのこと。
    • バクニン、バクザン、ハノイのK病院、ビンフック、ハイフォンから取り寄せられた新型コロナウイルスのサンプルの遺伝子配列を調べたところ、すべての地域においてデルタ(インド)型変異株が認められた。
    • ホーチミンの市中感染でもハイフォンからのリンクでデルタ(インド)型が、ダナンからのリンクでアルファ(イギリス)型が見つかっている。
      <参考資料>
      1. アルファ(イギリス)型変異株に関して:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210313-00227202/
      2. デルタ(インド)型変異株に関して:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210425-00234435/
  7. 2021年5月29日にベトナム国内でデルタ(インド)型とアルファ(イギリス)型の新型コロナウイルス変異株が合わさった新たな変異株を発見したと発表があったが、6月3日には『これはハイブリッド変異株ではなく『デルタ(インド)型変異株にいくつかの突然変異が起こったもの』と訂正された。
    • 混合変異株と報告されたが、調査の結果インド型のスパイクタンパクに欠損が生じたものである。さらなる研究が必要であり、今後数週間は様子を見ることになるというのが6月4日時点での最新の報告。
    • ベトナム国内の新型コロナウイルス感染者32人のサンプルを対象に実施した遺伝子配列解析の結果、4人で検出された。
    • これまで確認されていた既存の変異株よりも感染力が強いとされており、空気を介して伝染する性質がある(空気感染する)。
    • ウイルスの増殖も速い。
  8. アストラゼネカワクチンの集団接種が完了していたホーチミンの熱帯病院でクラスターが発生し、ロックダウンされた。
    • 発見された感染者の中で、症状があるのはごく一部(6月13日の段階で感染者53人、有症状者1人)で、症状がない人が多いのが特徴的。ワクチンの発症予防効果というポジティブな面と、感染予防効果の少なさというネガティブな面の両面を示しているとブログ主は考えている。

第4波の感染源

第4波流行の当初、以下の4つが感染源と考えられていた。

  1. 日本からベトナムに帰国し、南中部沿岸地方ダナン市での強制隔離期間終了後、北部紅河デルタ地方ハナム省に戻ってから陽性となった2899人目の感染者からクラスターが発生した。アルファ(イギリス)型変異株(B.1.1.7)が見つかる。
  2. インドから入国し、西北部地方イエンバイ省のホテル「ニューグエット2(Nhu Nguyet 2)」で強制隔離措置を受けていたインド人専門家らからクラスターが発生した。デルタ(インド)型変異株(B.1.617.2)が見つかる。
  3. ラオスから不法入国し、北部紅河デルタ地方ハイズオン省に移動した3051人目の感染者からクラスターが発生した。
  4. ハノイ市中央熱帯病病院から同市K病院をはじめ、他の省の病院にまでクラスターが広がった。

対策

基本的な対策

  1. 5Kを徹底する。5Kとは:マスク、消毒、距離の維持、集会の禁止、健康宣言の5つを行うこと。https://www.viet-jo.com/news/social/200910082501.html参照。
    • 実際に、リンクを持たない風邪症状を訴えている人を検査したり、流行地においてスクリーニング検査をすることにより、COVID-19と診断されるケースも増えてきている。
    • 上記に加えて省や市によって様々な対応。自分が所属する地域の大使館、領事館のホームページが参考になる。
  2. ベトナムにおいて市中感染が起こった際の対応の基本方針は、厳密なコンタクトトレーシング(接触者追跡)からの囲い込み(隔離とゾーニング)。
    • すべてのクラスターが補足されているならば、『あと何日で落ち着きそう』っていうのが予測可能だが、現在新たにホーチミンやダナンなどで市中感染が出現し、調査中であるため、予測が難しくなった。当局はウイルスがすでにコミュニティ内に存在していると認識を変更している(つまり感染のリンクが追えていない)。

今回特に新しく行われた/強調された対策

  1. 強制隔離期間を14日から21日に延長。
    • 現在流行しているウィルスの潜伏期間が長く、感染力も強いことが推測されたため、
  2. クラスターが発生しやすく、発生した場合に重大な影響を生じやすい所を対象としたスクリーニングと感染拡大防止策の強化
    • 特に高リスクグループと考えられているのは病院や工業地帯。
      • 保健省は、地方自治体に対し、工業団地および工業団地内の企業各社に新型コロナ対策を徹底させるよう求め、これを徹底しない場合は営業を一時停止とするよう要請した。
    • ハノイやホーチミンなどの人の出入りが多く、感染源不明の患者が出ている地域においては、リンクを持たない風邪症状を訴えている人を検査したり、流行地においてスクリーニング検査をすることにより、COVID-19と診断されるケースも増えてきている。
      • この状況を受け、ハノイやホーチミンの人民委員会においては、感染リンクがなくとも外来受診や入院時に、患者に健康宣言を行うことを要求したり、場合によってはCOVID-19のスクリーニングを行うことが必要となった。例えば2021年5月30日に、ホーチミン市人民委員会が通知した「ホーチミン市におけるCovid-19の抑制措置の強化について」を見ると、『仮にCovid-19関連症状(咳・熱・のどの痛み・呼吸困難など)がある場合は、治療のためのスクリーニングを行うため医療機関に出向かなければならない。誠実に医療申告を行い、自身の病状を隠匿することを絶対に行わない。』とある。同様の指示はハノイなどにおいても以前から出ている。
      • ※とても分かりやすかったので、以下の1~3の部分はACCESS ONLINEさまの記事からより抜粋
        ホーチミンのCDCは新型コロナウィルスが市中に蔓延しているという判断のもと、5月31日午前0時より市内全域で社会的隔離措置を適応したが感染がコントロールできず、さらに6月15日から29日午前0時までの、計14日間の延長を指示し、ホーチミン全域で首相指示第15号/CT-TTgに沿った措置を適応した。
        1. 市民に対して社会隔離措置の規則を徹底的に順守し、不要不急の接触を極力避けるよう呼び掛けている。
        2. 病気の症状があり病院へ行く必要がある場合は、自分に感染地域へ行ったことがあるか、感染者又は、感染の疑いのある人と接触したことがあるか、咳、発熱、のどの痛み、味覚障害などの自覚症状があるかなどCOVID-19に関連する要素があるかどうかを自己分析しなければならない。もし、COVID-19関連要素がある場合は、最寄りの医療機関に連絡して指示を受ける必要がある。緊急搬送などによって入院する必要がでた場合は、病院の定めたルールに従って行動しなければならない。
        3. 症状が緊急を要しない場合は、事前にオンライン診療に登録して診察を受けるか、電話で専門の診療科に連絡して指示を受けるべきである。しかし病状が悪化する危険性もあるので、COVID-19を恐れすぎて診察を受けないという選択はしない方が良いとしている。
        4. さらに6月20日より感染予防措置の厳格化。こちらを参照。
  3. 特に今回の第4波で工業団地でのに関しては、今回新しい方策が打ち出された。
    • 理由
      1. 労働集約型の上、密室でエアコンをつけて作業が行われているため、特に感染が広がりやすい環境であるため。
      2. チン首相は住民の健康保護を第一にするとともに生産経営活動やサプライ・チェーンの確保に全力を尽くさなければならないとした。
    • 方針(こちらの記事より抜粋)
      1. 各部門、機関、地方が党書記局、政府、首相、新型コロナウイルス感染症予防対策国家指導委員会の指導を厳格に実施する。
      2. すべての工業団地、企業、工場は新型コロナウイルス感染症予防対策の規制を厳守し、安全度を自己評価し、新型コロナウイルス感染症予防対策安全地図をアップデートする。
      3. 安全を確保しないことや新型コロナウイルス感染症予防対策安全地図にアップデートしなかった工業団地は活動を中止。
    • 具体的に始まったこと
      1. 工場労働者が新型コロナワクチン接種の優先対象者に追加された。
        • これによりコロナ震源地(具体的にはバクザン省とバクニン省の工業団地)の工場労働者に対するワクチン接種が開始された。
          • 例としては6月1日より始まったバクニン省のイエンフォン工業団地に入居するSamsung Electronics Vietnam=SEVの従業員1万5000人に対する新型コロナウイルスワクチン接種。
        • さらに6月11にはダム副首相より、『2021年8月末までに、全国の工業団地のすべての労働者にワクチンを接種目指す』と発表があった。
      2. 例えばバクザン省の工場では『感染が落ち着くのを待ってから工場を再開した場合、サプライチェーンは崩壊する』として、2〜3回のCOVID-19検査で陰性が確認された労働者に、防疫措置を遵守した安全で閉鎖された環境で業務をしてもらうことで、工場を再稼働させた。
        • この際の再開の条件(参照より抜粋):
          The businesses are required to comply with all safety regulations regarding Covid-19;
          1. Have dormitories for workers to stay in;
          2. Arrangements for picking up and dropping off workers
          3. Workers who have tested negative in PCR test, with the most recent test done a day before returning to the factory.
        • 工場自体を封鎖し、その内側では生産活動が続いているということ。実際バクザンの工業団地は1週間の閉鎖をしたのちに、順次再開し始めた。(参照、ベトナム語ですが写真から中の様子がよくわかります)。
  4. 政府が1200億円規模の新型コロナワクチン基金を設立
    • 集団免疫を達成するために、すべての人々に無料のワクチンを投与することが目標。
      • 基金はワクチンの購入、輸入、国内ワクチンの研究、開発、生産のために設立された。
    • 7500万人のために、1億5000万回分の新型コロナウイルスワクチンを調達する計画。管理は財務省。
    • 1200億円の内訳
      1. 約1000億円が購入代金
      2. 残りが輸送や保管、流通、接種などにかかる費用
    • 具体的な動き、提案
      1. 現地企業のAn Phát Holdingsは、200億VNを保健省に引き渡した。同時に、An Phát Holdingsは、省と協力して、従業員にCOVID-19ワクチンを接種する予定。
      2. ベトナムのヨーロッパ企業の79パーセントが¥スタッフの予防接種にお金を払っても構わないと思っている(参照)。
      3. アメリカ商工会議所(AmCham Vietnam)は、ベトナムのCOVID-19ワクチンプログラムを支援することを決定した(参照)。
      4. ベトナム補助産業協会のVPのĐỗ Thị Thúy Hương氏は、企業が政府の予防接種活動を支援することにより、企業の労働者にワクチン接種ができる可能性を示唆した(参照)。
  5. 医療申告等アプリの義務化
    • 2021年5月29日に、ベトナム保健省は「COVID-19の感染予防のための医療申告及び濃厚接触者発見アプリの使用法に関するガイダンス」を発出し、特定の場合での国内における医療申告等アプリの使用を義務づけた。
    • 日本語での詳細情報。
  6. コロナウィルスの疫学情報マップが、ハノイとホーチミンそれぞれの地域に実装された。
    • ハノイのマップ:参照
    • ホーチミンのマップ:参照

今後の見込み

  1. http://4. https://www.viet-jo.com/news/social/210623192217.html5月11日の時点で保健省副大臣のDo Xuan Tuyen氏より「基本的にCOVID-19の流行は制御下である」と発表があった。例えば、以下のように感染コントロールが付いたと判断される地域もある、
    • ダナンでは21日間新型コロナウイルスの感染が確認されなかったことを受け、6月9日から複数のサービスや屋外活動が再開したが、6月18日に新規感染者が発見されたのを皮切りに、19日にはさらに23名が報告され、これに伴い再び公共のビーチを閉鎖し、飲食店はテイクアウトのみ提供することなどの社会的距離の再開を決定した。
    • クアンニン省では30日間感染が確認されなかったことをうけ、6月8日から国内の観光客に対して観光事業を抒情に再開することが許可された。
    • ハノイ市は6月16日以降、新規市中感染がなく、6月22日より社会的隔離措置の緩和を開始した。
  2. 一方ホーチミンではウイルスがすでに市中に蔓延し、感染のリンクが追えきれていないと認識している。
    • その為住民対象のランダムスクリーニングが実施されたり、「ホーチミン市におけるCovid-19の抑制措置の強化について」により、『仮にCovid-19関連症状(咳・熱・のどの痛み・呼吸困難など)がある場合は、治療のためのスクリーニングを行うため医療機関に出向かなければならない。誠実に医療申告を行い、自身の病状を隠匿することを絶対に行わない。』と定められ、次いで様々な施策が導入され始めている。
      • さらの6月24日より『新型コロナウイルス感染者と感染疑い者を早期に発見するため、全ホーチミン市民の電子健康申告を行う方針を明らかにした。市の指示によると、工業団地・輸出加工区・ハイテクパーク・工場・企業などの職場、医療施設、マンション、学校、駅、バス停、船着場、公共交通機関、商業施設、スーパーマーケット、卸売市場、生活必需サービスの営業拠点などが対象となる。全市民は上記の場所を訪れる際に必ず電子健康申告を行わなければならない。』となった。こちらのVietjoの記事を参照。
    • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第4波がホーチミン市で急拡大していることを受け、ホーチミン市人民委員会は、第三者を関与させることなく、製造業者との直接交渉を通じて500万から1000万回分のワクチンを入手し、約700万人(ホーチミン市の人口の2/3)をカバーする方針を打ち出した。
      • 6月19日より、接種キャンペーンの第一弾として、ワクチン83万6000回分(うち78万6000回分は日本政府から無償給与され、6月16日にベトナムに到着した英アストラゼネカ(AstraZeneca)製のもの)がホーチミン市で投与され始めた。
        • 6月19日から接種キャンペーンが開始。ベトナム人民軍を動員。
        • 5~7日間で完了する見通し。
        • 今回のキャンペーンの約半分は工業団地やハイテク地域の労働者と管理者に投与される。
        • 日本語でも記事になっているので、こちらをご参照ください。
  3. また今回の第4波においては入院患者が多く、感染が伝播しやすい病院内でクラスターが発生したことにより、多くの高齢者や基礎疾患のある方々が感染した。これにより今後も引き続き死亡例が増えるものと予想される。

代表的/特徴的なクラスターや市中感染(2021年5月29日現在)

特に多発している地域(ホットスポット)

  • ハノイで生じている複数のクラスター
    1. 病院クラスターとしてThe National Hospital for Tropical DiseasesやK Hospitalのクラスターがあるが、現在は制御下に置かれている。デルタ(インド)型変異株が検出されている。しかしながら感染者はもともと基礎疾患があって入院中の方が多いので、第4波の最中に生じた死者の多くはこういったら病院クラスターから生じている。
    2. ハノイの国営建設会社の社長関係やホアンマイにあるタイムズシティ内でのクラスターなども現在は制御下に置かれている。
    3. 現在アクティブなクラスターとして、 6月7日に発表されたDong Anh DistrictのCua Hang Moi Market のクラスターがある。このクラスターの感染源も不明。
    4. 6月14日にDucGiang総合病院の警備員がCOVID-19に感染していることが判明した。
    5. 6月15日には感染源不明の29歳男性がロンビエンで発見されたというニュースもあった。
    6. 6月22日より社会的隔離措置の緩和開始。
  • ホーチミンでの市中感染
    • ホーチミンの市中感染ではハイフォンからのリンクでデルタ(インド)型が、ダナンからのリンクでアルファ(イギリス)型の変異株が見つかっている。
    • 現在ホーチミンでは複数の感染源不明のアクティブなクラスターが確認されている。 
      • 5月31日午前0時よりホーチミン市内全域で適用されている社会的隔離措置をもってしても流行のコントロールの目途が立たなかったため、6月15日より社会的隔離措置がさらに14日間延長された。
      • コンタクトトレーシングからではなく、風邪症状で病院を訪れた患者から
  • 工場クラスター
    • 北部紅河デルタ地方バクニン省の工業団地でのクラスター
      1. 複数の工場で感染者を確認。
    • バクザン省の工業団地でのクラスター
      1. 密閉された環境内における感染であり、非常に早く広がった。
      2. ほとんどがデルタ(インド)型変異株の感染。
        • 感染者の接触者(F1)が感染者(F0)になる割合が55~79%と高く、特に工場労働者が多い工業団地の入居企業でその傾向が顕著。
  • 病院クラスター:ほとんどの死亡例はここから
    • ホーチミン
      • 熱帯病院やホーチミン大学メディカルセンターなどの大規模病院をはじめとした複数の病院
    • ハノイ
      1. 熱帯性疾患国立病院(the National Hospital for Tropical Diseases)
      2. K病院(K Hospital):封じ込められているとの情報あり。
      3. 105軍病院(105 Military Hospital)
      4. メドラテック病院(Medlatec Hospital)
      5. Hữu Nghị Hospital
    • ビンフック省
      1. フックイエン総合病院(Phuc Yen General Hospital)
    • ランソン省
      1. ランソン肺病院(Lang Son Lung Hospital)
    • タイビン省
      1. タイビン総合病院(Thai Binh General Hospital)
      2. タイビン医科薬科大学の4人の学生がnCoVに陽性-zingnews
    • ゲアン省
      1. クインラップ国立ハンセン病皮膚科病院(Quynh Lap National Leprosy Dermatology Hospital)
      2. ダナンのホアンマイ病院(Hoan My Hospital)