ベトナムで過ごす人が気を付けるべき性病・男性疾患

ベトナムで働く総合診療医/泌尿器科医が現地日本人駐在員に向けた、性感染症(STI)や泌尿器科疾患、生活習慣病に関する医療ガイドです。

ベトナムに潜む性感染症の現実

ベトナムでは性風俗業が違法であるため、衛生管理が不十分で性感染症のリスクが高い状況です。駐在員が媒介者となる事例も報告されています。

最近のベトナムでの注目すべき性感染症の話題として以下があります。

  • 梅毒:急増中。手足や体に無痛性の発疹が出ることも。
  • HIV/AIDS:若年層男性や性風俗従事者の感染率が高い。
  • 淋菌:抗生物質耐性が進行。特にアジスロマイシンやセフトリアキソン。
  • B型肝炎:妊婦の感染率が高く、母子感染のリスクあり。
  • C型肝炎:注射薬使用者に多く、感染率は57.8%に達する。

予防のポイント

不特定多数との性的接触は避ける。
コンドームは感染予防に有効ですが、粘膜接触で感染する病気(梅毒・ヘルペスなど)には不十分です。
特にオーラルセックスでも感染リスクがあります。

検査のポイント

以下のような状況や症状があった場合には検査を受けましょう。

  • 不特定の相手と性的接触があった。
  • 以下のような症状がある
    • 排尿時の痛み、頻尿、残尿感
    • 尿の濁り、異常分泌物(膿)
    • 性器のかゆみや潰瘍、皮膚の発疹、鼠径部腫脹
    • 発熱、倦怠感
検査タイミング推奨時期
初回検査性交後1〜2週間
追跡検査約6週間後
最終確認検査約3ヶ月後

RafflesMedical Hanoi のSTD検査パッケージ

パッケージ内容料金(VND)
ベーシックHIV、梅毒、HBV抗原/抗体、HCV抗体3,200,000
コンプリート(12項目)クラミジア、淋菌、トリコモナス、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、<br>ガードネレラ、HSV-1/2、梅毒、カンジダ(尿PCR)3,600,000

保険適用の可否はプランにより異なります。医師と相談のうえ、最適なパッケージをお選びください。

定期検査と早期治療で、自分もパートナーも守りましょう。

ご予約受付で症状を伝えるのが抵抗あれば、とりあえず『中島医師』と受付で言えばOKです。
電話: 1900-545-506 (日本語ホットライン)
メール: hanoi_japanese@rafflesmedical.com
住所: 51 Xuan Dieu (Behind Fraser Suites), Tay Ho, Hanoi

※ホーチミン在住の方にも、オンラインで対応可能です。

中高年男性が直面する健康リスク

年齢を重ねるに従い前立腺疾患・男性更年期・勃起障害などの泌尿器科的問題が増加します。

前立腺疾患

  • 良性前立腺肥大症(BPH):排尿困難、夜間頻尿
  • 前立腺がん:無症状で進行することも多く、50歳以上はPSA検査・超音波検査を推奨

テストステロン低下(男性更年期)

  • 40代以降、年間約1%ずつ低下
  • 筋力低下、疲労感、性欲減退、集中力低下、抑うつ傾向

勃起不全(ED)

  • 主な原因は血管性(動脈硬化)・神経性、次いで心因性
  • EDは「ペニス動脈が最も細いため、全身動脈硬化の早期指標」とされる
  • ED患者は10年以内に冠動脈疾患リスク65%、脳卒中リスク43%上昇

まとめ:健康管理の「当たり前」を駐在先でも

  • 性的に活発な方は定期的(半年から1年に一度程度)な性感染症検査を
  • 症状がなくても、パートナーや子どもへの感染予防のために治療を
  • 泌尿器症状があればすぐに受診を