海外に住む日本人のメンタルヘルス問題

海外で働いていると日本に居る以上にメンタルヘルスの問題が生じやすい

  • ベトナムの邦人社会でもよく話題になります。
  • ただしあまり情報がないので先日行った講演会のハンドアウトをこの場でシェアします。

ハンドアウトを御覧になりたい方はクリックしてください。
 下に要点のスライドだけ画像をアップしてみました。

企業の安全配慮義務の観点からも重要

  • 海外で働いていたとしても安全配慮義務違反があると日本の民法上認められれば企業が責任を負う事になる。
  • 駐在員だけではなく現地採用の日本人労働者に対して労務災害が起こった場合でも、 日本で民事訴訟(対個人、対日本本社)で争われる事もある。

海外で、メンタルヘルスの問題が疑われた・生じた場合の対応

  • 疑うべき精神の症状としては意欲の低下、不安・イライラ感、集中力の低下、自分を責めやすい、抑うつ的な気分等が続くとき。

  • メンタルヘルスの問題の対応には母国語対応が望ましい
    • 日本に帰国して治療を受ける事が第一選択。もしくは近隣諸国(タイ・シンガポール)の邦人社会の医療機関やWith KidsやGroup With等の利用。

  • ベトナムをはじめとした発展途上国における精神医療は充実していない上に日本語対応も不備なため宛にはならないが、いざというときはためらわず受診する・させる

  • 精神的な不調を来した場合は、まずは帰国させ本邦で治療を開始する事が最善
    • ただし本人から自己申告しない例も多くみられ、周囲の人間が気づかないとそのまま現地で治療が継続される事になる。
    • 医療機関から職場に報告する義務はない。むしろ守秘義務違反となる

  • 身体化障害
    • 精神の症状は身体にも現れる。
    • 精神の不調に気づかずに、様々な身体症状だけ訴える事もあるので慢性的な不調がある場合にも疑う必要がある。