COVID-19ってどんな病気?

コロナウィルスとは?

  • ヒトに日常的に感染する。
  • ほとんどの子供は風邪として6歳までに感染している。
  • いわゆる風邪の10~15%はコロナウィルス
  • 全部で7種類あり、風邪のウイルス(4種類)と、動物から感染する重症肺炎ウイルス(SARSとMERS)、そして今回のCOVID-19を引き起こす SARS-CoV-2 が知られている。
  • 参考
    1. SARS: 重症急性呼吸器症候群(参考: 国立感染症研究所. SARS(重症急性呼吸器症候群)とは. )
      1. 2002年11月16日に中国で始まり、2003年7月5日にWHOによって終息宣言が出されるまで続いた。
      2. ヒトからヒトへの伝播は市中において咳や飛沫を介して起こる。
      3. 32の地域と 国にわたり8,096人が感染し、774人が死亡(致死率9.6%)。
    2. MERS: 中東呼吸器症候群 (立感染症研究所. コロナウィルスとは.
      1. 2012年にサウジアラビアで発見された。
      2. ヒトからヒトへの伝播も限定的だが、病院内や家庭内において重症者からの飛沫を介して起こる。
      3. 2019年11月30日時点 で27カ国において2,494人の感染者がWHOへ報告され、そのうち858人が死亡した(致命率34.4%) 。

COVID-19とは?

Coronavirus Disease 2019(新型コロナウィルス感染症)からCOVID-19 と名付けられました。

  • 潜伏期(病原体に感染してから、体に症状が出るまでの期間)
    1. CDCWHOによると1〜14日の範囲と考えられている(最長21日という考えもある)。
      • ただし研究が進むと変わる可能性がある。
    2. 病気の発症は7日目前後と考えられている。
  • ウィルスの生存力
    1. 米CDCの局長の発言によると段ボール、プラスチックの表面で2時間以上生存可能。 
    2. SARSやMERS、普通の風邪を引き起こす他のコロナウィルスの研究によると、コロナウィルスはガラスまたはプラスチックなどの表面など、条件が整えば最大9日間残存することがある。しかし62〜71%のエタノールや0.5%の過酸化水素、または0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを使用して1分以内に不活性化できることがわかっている。

症状と重症度

2020年2月20日までの間に中国で診断確定された55924例の解析結果をまとめた
Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) より

重症度
重症度によって予後が大きく変わる

  • 感染しているにもかかわらず無症状という報告もあったが、後に時間経過で悪化することが大部分を占めた。
    1. 無いわけではないがごく少数。
    2. つまり無症状のケースからの感染というのはそれほど多くない。
  • 全体の80%が軽い風邪症状。
    1. 比較的長く症状が続き1週間から10日ぐらいで治る。長い人だと3週間の事もある。
    2. 軽症でもウィルス排出量が多い事があるため、他人に感染させることがある。
  • COVID-19に感染した中の13.8%が重症化する。
    1. 呼吸困難、1分間に30回以上の頻呼吸、、血酸素飽和≤93%、PaO2/FiO2<300、24-48時間以内に肺野の50%以上に浸潤影が出現。
    2. 人工呼吸器が必要になることもある。
  • 6.1%が致死的症状を呈する。
    1. 呼吸不全、感染性ショック、多臓器機能障害/不全。
  • 死亡することもある(2%)

症状
感染後平均5日から6日で以下の症状が出る。

  • 発熱 87.9%
  • 空咳 67.7%
  • 倦怠感 38.1%
  • たん 33.4%
  • 息切れ 18.6%
  • 関節痛・筋肉痛 14.8%
  • のどの痛み 13.9%
  • さむけ 11.4% •
  • 頭痛 13.6%
  • 嘔気・嘔吐 5.0%
  • 鼻づまり 3.8%%、
  • 下痢 3.7%
  • 喀血 0.9%
  • 結膜充血 0.8%


医療法人社団 悠翔会理事長・診療部長 佐々木敦先生よりいただきました。

どんな条件で致死率が高くなりやすいのか?

2020年2月20日までの間に中国で診断確定された55924例の解析結果をまとめた。
Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) より

55924人の感染者のうち死亡したのは2114人で、全体の致死率は3.8%

場所(医療体制)による致死率の違い
なんの準備もないままアウトブレイク(突発的発生)し、現地の医療体制を圧迫したため十分な治療・感染制御・医療体制の配置ができなかったことが原因の1つと考えられる。

  • 湖北省武漢は、致死率が5.8%。
  • その他の地域では、0.7%

時間経過による致死率の違い
時間が経過する中で医療体制が整い適正な人員配置、感染制御が行われるようになった。

  • 2020年1月1日から10日までに発病した患者の致死率は17.3%
  • 2020年2月1日以降に発病した患者の致死率は0.7%

以上のように適切な医療体制さえ整えば、COVID-19はある程度コントロールができる疾患だという事がわかります。

今後が期待ができる知らせとして、 人民網日本語版. 武漢から吉報、臨時医療施設の1つが「任務終了」. というものがあります。英語版ですがABC NewsからもQ&A: Wuhan’s biggest temporary hospital could close in March. という題名で3月中に武漢にあるCOVID対策を行っている臨時病院の全てがその役目を終えることが出来そうだというニュースが出てきました。


どんな人が悪くなりやすいのか?

Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) より

重症化や死亡のリスクが高い人

  • 60歳を超えた人、特に80歳以上の人の致死率は21.9%
  • 合併症がある人
    1. 循環器の病気がある人:13.2%、
    2. 糖尿病がある人: 9.2%、
    3. 高血圧がある人: 8.4%、
    4. 慢性の呼吸器の病気ががある人: 8.0%、
    5. がんがある人: 7.6%、
  • 逆に子どもの感染例は少なく、症状も比較的軽い
    1. 19歳未満の感染者は全体の2.4%にとどまっていて、重症化する人はごくわずか。
    2. ウィルスを持っていないという事と同義ではないので注意!

診断・治療(3月1日時点)

検査・診断方法
PCR検査や血液検査があるが、有効性については疑問が残る。

治療方法ワクチン
特別な治療(例えば癌に抗がん剤みたいな)やワクチンでしっかりと効果が確認されているものは現状ない(2020年3月30日時点)。現在開発、調査されている段階。